先日テレビを見ていて、コミュニケーションについて考えさせられました。
ひとつは、周りとうまくやっていくために必死で空気を読んで生きてきた女性のドラマ。
もうひとつは、アナウンサー志望のお姉さんたちが著名人のインタビューに挑戦する番組。
会話のキャッチボールは、まず相手に興味をもつことから始まるんだなー。
あたりまえだけど、フラットな関係に慣れていないと結構難しいことなのかもしれません。
薄っぺらいあいづちは、相手の心に響かない
昨今テレビ離れが叫ばれていますが、おじさんはやはりNetflixよりテレビがメインです。
テレビドラマも結構好きで、シーズンごとに面白そうだと思ったものを見ています。
今シーズンは、『ノーサイド・ゲーム』(TBS系・日曜21時~)とか『べしゃり暮らし』(テレビ朝日系・土曜23時15分~)とか『セミオトコ』(テレビ朝日系・金曜23時15分~)とか。NHKも見てますが。
何かやりながら録画を見ていることが多いですが、見る時間がなくてレコーダーにたまりがち。
会社員時代より時間はあるはずなのに、どしてだろ。
黒木華さん主演のドラマ『凪のお暇』(なぎのおいとま:TBS系・金曜22時~)も楽しみにしています。
8月23日放送の第6話では、一生懸命周りの空気を読んで生きてきた主人公が Barのママ(武田真治)から突き付けられた言葉が強烈でした。
「あなた、他人に興味ないでしょ」
それを言われて主人公は、それまで女性グループの中で会話の空気を読んで「ワカルー」を連発していた自分が、
実は全く相手のことを知る気もなく、
その軽いあいづちで場に溶け込んでいた「つもり」でいたことに気がつきます。
そしてその薄っぺらい反応が、相手に見透かされていたことも。
相手に興味を持って、言葉を聞いていただろうか。
主人公は、友人への接し方を変えていきます。
黒木華さんいいなぁ… (*^^*)
聞き上手は、打ちやすいボールを先に投げてあげる
主人公(黒木華)がママ(武田真治)に言われたセリフが秀逸だったので、もう少し詳しく。
主人公が、ママに「会話のキャッチボールのコツ」を尋ねたときのセリフです。
「そもそもなんで相手に会話のボールを投げてもらう前提なの? 何様?
あんたってもしかして自分のこと聞き上手なタイプって思ってない?
本当の聞き上手って相手が打ちやすいボール先に投げてあげてるから。
あんたの場合は、相手の顔色伺うばかりでなんのボールも投げてこないから相手が気を使って話題を作ってるだけ。
あんたが会話のボールを投げられない理由はなんでしょう? あんたが相手に興味ないからよ」
水商売の人の観察眼は、鋭いですよね・・・
ドラマだけど。
自分アピールはほどほどに
番組変わって。
たまたま見た「林先生の早耳学」(TBS系・日曜22時~)という番組で、『吉川美代子先生の女子アナ学』というコーナーがありました。
女子アナ志望の若い女性を、大先輩の女性アナウンサー吉川氏が育てていく、というコーナーです。
この日は特別講師に元TBSアナウンサー・渡辺真理さんを迎えて、学院生たちが「インタビュー」に挑戦していました。
相手は、元東京都知事の舛添要一氏。お題は、「政治家の不祥事」「東京オリンピック」など、ギリギリ感あるもの。
アナウンサーを目指すだけあって皆さん綺麗なお姉さん方ですが、会話の始め方、話の引き出し方には皆さん苦戦していました。
話しやすい空気を作れない、
いきなり本題に入ってしまい変な空気に、
自分のシナリオ通りに進めたがる、
想定外の返事に対応できない・・・
インタビューって、難しいんだなぁ。
舛添さん相手では、誰でもそうなっちゃうかも?
中でも驚いたのは、「高齢化社会」をお題にいただいた女性。
お題からずれて、高齢者の免許返納をテーマに自論を展開して、否定されるとムキになって反論して、気が付くとインタビューではなく「ディベート」になっていました。
本人のシナリオではたぶん、自論に舛添氏が賛同してくれて、話が盛り上がって、もしかしたら褒めてくれたりして、…だったのかもしれませんが、シナリオ通りに会話は進まず、気がつくと
自分の言いたいことを言っているだけ。
結果、評価は零点。吉川氏は、このままではアナウンサーどころかどこの企業を受けても合格しないと酷評。
ショックだったと思います。
勝手な推測ですが、自分の言いたいことを抑えて相手の話を聞く、ということに慣れていない、たぶん今まであまりする必要がなかったのではないかと思われました。
容姿端麗な彼女なら、今まではそれでよかったのかも・・・
いい経験としてとらえ、一層の飛躍を祈ります。
この回では1人だけ合格点の7点(10点満点中)をとっていましたが、あとは総じて低い点数でした。
違いは、
ポイント
- 舛添さんと会話のキャッチボールができていたかどうか
- コミュニケーションが成立していたかどうか
- 相手に喋らせていたか
- 聞きたい内容を引き出せていたか
でした。
上述の「Barのママ」の言葉を借りれば、
ポイント
- 相手が打ちやすいボールを投げてあげていたか
- 打てなかったら違うボールを投げる工夫をしたか
- 相手を打つ気にさせられたか
- こちらの思うところに打ち返してもらえたか
ということでしょうか。
自分に興味を持ってもらうためには、まず相手に興味を持つ
肩書きがあるうちは、周りの人たちは自分の話をきいてくれます。
気を使って相手から会話をつないでくれるでしょう。
若くてきれいなうちは、そうだねそうだねと言ってくれます。
あなたの気持ちを惹くためには、嫌われるようなことはしてはいけません。
相手があなたの肩書に興味があるうちは、
相手があなたの容姿に興味があるうちは、
仕事のために、恋愛のために、会話を盛り上げて、聞き役になってくれるでしょう。
でも、退職したら、容姿では通用しない世界では、そうはいきません。
肩書きや若さ美しさ恋愛感情とは無縁な、フラットな場では、お互いが対等な立場でキャッチボールをしなくてはなりません。
肩書きがなくなっても、もう十分歳をとっているのに、
昔のイメージをひきずってオレの話を聞け、アタシが中心、みたいな中高年の人を見るとつらいですね。
「聞くが7割、話すは3割」とよく言われます。
一方的に自分の話しかしない人に対してそうだねそうだねとひたすら聞き役になってくれるのは、危ない商売か怪しい宗教か、よほど我慢強い人か(笑)
自分にしか興味がない人からは、周りは離れていきます。
相手とうちとけるカギは、相手に興味を持つことです。
相手に興味を持って話をきくことで、双方向の関係ができます。
肩書きもなく、若さがなくなっても、人を惹きつけるのは人としての中身です。
肩書きや見た目を充実させるより、自身の生活や人間関係を充実させて、内面から輝きましょう。
人間関係を充実させるには、自分に寄ってくる人を探すより、相手に興味を持ちましょう。
興味を持ってくれる人には、相手も好意を持ってくれるはずです。
興味があれば球種も増えて、キャッチボールを楽しめるようになるでしょう。
そうやって、孤立しない人間関係を作りましょう。
もし最初の印象とは違ってこの人は苦手だなーと思ったら、少しづつ距離をおけばいいのです。
仕事の相手じゃないんだし、ね。