前回に引き続き、「健康な脳を保つため」のお話です。
脳トレのためのグッズやゲーム、ドリルなどはたくさんありますが、
脳にとって本当に重要なのは「楽しいかどうか」。
イヤイヤやっていても脳は活性化しないのだそうです。
「好きなこと・楽しいこと」を「やってみる・もっておく」のが、脳を健康に保つことになるのです。
「好きなこと」で、脳はよみがえる
「好きなこと」で、脳はよみがえる~無理なくできる“生涯健康脳”のつくり方
瀧 靖之 著(東北大学加齢医学研究所教授、医師、医学博士)
前回も登場した本ですが、定年世代の我々に響く内容ばかり。
セカンドライフにワクワクが欲しい方、イキイキと暮らしたい方に「是非読んでいただきたい!」ので、もう少し詳しくご紹介します。
もちろん若い人にも、既に定年を迎えた人にもおすすめ。
「健康脳」を保つためにはどう生きていくべきか、というお話ですが、その答えが「好きなこと」をやりましょう、というのですから面白い。
逆に言うと、「好きなこと」があること・やり続けることは、案外難しい。
…とも言えますね。
あなたには、好きなこと、やりたいこと、ありますか?
「楽しい」が脳を活性化させる
健康な脳とは、どんな脳でしょうか。
「脳の血流がよく、代謝が非常に高い状態にあり、活発に動いている脳」
と、この本では定義しています。
歳をとって脳が萎縮していくと、脳の血流が減り、代謝が低くなり、動きが鈍くなります。
脳の萎縮が進むと認知機能の低下が起こり、認知症になっていきます。
認知症は、遺伝だけではなく「生活習慣」が大きな要因になっていて、健康な脳を保つために役立つ生活習慣が「知的好奇心」なのです。
(ここまでは前回書きました)
ボケの予防に大切なこと ~ 知的好奇心が脳に効く!!
ボケても素敵なご夫婦はいます。でもできるなら最後までぼけずにいたい。脳を健康に保つためには「知的好奇心」で脳を活性化するのが有効です。知的好奇心のアンテナを高くあげて、楽しそうなこと、楽しそうな場所を探しましょう!ドラムも、いいですよ!
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著者の瀧靖之氏が教授を務める「東北大学加齢医学研究所」が、約400名を8年間追跡調査した結果、
- 「知的好奇心」のレベルが高い人ほど、脳の「側頭頭頂部」の萎縮が遅くなる
ということがわかりました。
側頭頭頂部は脳の記憶やワーキングメモリー、高次認知機能に関わる領域であるので、
- 「好奇心を持ちながら行動」すれば、認知症の予防につながる
そのメカニズムは、
- 知的好奇心 →「楽しい」→ 脳内物質ドーパミン分泌 → 記憶力向上・プラスの感情・脳の活性化
- 知的好奇心 →「楽しい」→ 脳がリラックス状態 → 海馬によい影響・脳の血流UP・脳の活性化
つまり、「楽しい」という気持ちが、脳のあらゆる場所を刺激するのです。
本書では「知的好奇心」の他に、「運動」と「コミュニケーション」が脳を活性化する要素だとしています。
ただし、運動もコミュニケーションも「楽しい」ことが大事であり、単なる苦行だったりつらかったりしたら、かえって逆効果。
「楽しい!」と思えることをやりましょう!
ポイント
- 認知症は、遺伝だけではなく「生活習慣」が大きな要因になっている
- 健康な脳を保つために役立つ生活習慣が「知的好奇心」
- 「知的好奇心」のレベルが高い人ほど、脳の「側頭頭頂部」の萎縮が遅くなる
- 「好奇心を持ちながら行動」すれば、認知症の予防につながる
- 「知的好奇心」の他に、「運動」と「コミュニケーション」が脳を活性化する要素
好きなことの追及が、好奇心の原点
知的好奇心と言われても…
難しく考える必要はありません。
趣味があるなら、それを楽しめば大丈夫。続けて行く工夫や、楽しい仲間を増やしていくことで、知的好奇心やコミュニケーションが刺激されます。
これといった趣味がないという人でも、きっと何かやりたくなることがあります。
- 好奇心のきっかけは、「懐かしさ」
- 昔の習い事を始める
- 孫から興味の幅を広げる
- 旅行が脳にもたらす2つのメリット
- 「電車で小一時間」の旅に出かけよう
- お酒しか興味がないという人は…
など、本書には「好きなこと」を見つけるヒントがたくさん。
「好奇心の原点は、好きなことを突き詰めることにあります」
好きなことをみつけたら、のめりこんでみて下さい。
そしてできれば、アウトプットを心掛けましょう。きっと新たなコミュニケーションが広がります。
濡れ落ち葉とは言わせない! 1人でもアウトプットの場を作る方法
「濡れ落ち葉」という言葉、最近はあまり耳にしなくなったように感じていましたが、今も健在のようです。 我々の年代にとっては、ドキッとする表現ですね… 退職後に「濡れ落ち葉」にならないためにはどうしたらいい? 会社以外に日常的に行く場所や会う人 ...
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三日坊主を恐れず、一歩踏み出すこと。
たとえ三日で終わっても、「三日も続いたんだから十分じゃないか」ぐらいに自信をもつべきと、本書は励ましてくれます。
一歩踏み出せば、チャンスは広がります。
仕事以外に、人生の柱を作る
中には「仕事が趣味」という人もいらっしゃることでしょう。
現役時代なら素晴らしいことかもしれませんが、では定年を迎えて仕事がなくなったときに一体どうなるんだろう、という心配は残ります。
本書でも「自分の居場所が職場にしかなかった場合のリスクはあまりにも高い」と述べられています。
人生には3本の柱が必要
- 人生には最低でも3本の柱が必要
- たとえば1本は仕事、1本は家庭、1本は趣味
- 1本の柱が危機に瀕しても、残り2本の柱を支えに何とか苦境を乗り切る
私も、仕事で落ち込んでいる時に趣味の仲間に救われたり、家庭で支えられたりということは幾度となくありました。逆も… あったかな?
居場所は、いくつあってもいい。濃いお付き合いじゃなくても大丈夫。
職場にしか居場所がなく、そのまま定年を迎えるのが最も危ういパターンです。
最低でも3本の柱を、立てておきたいものです。
思い立ったが吉日、まず行動
今までやったことがないこと、行ったことがないところ、初めて会う人々、誰でも不安だし面倒なものです。
でも、会社の仕事なんてそんなことの連続だったのではないでしょうか。
今度はいよいよ、自分のためにその度胸を使うときです。
失敗しても、今一つ楽しくなかったとしても、給与が下がるわけでも懲罰があるわけでもありません。
仕事のことを考えればそんなの想定内、明るくスルーして、
「次いってみよう!」
思い立ったが吉日。
なんか楽しそうだと思ったら、やってみよう!行ってみよう!
50代からは、今までできなかったことを実行するチャンス!
子供たちが独立して、会社生活にも終わりが見えてきて、その先の生活を思い描く時期になったら、今まで出来なかったことを実行に移すチャンス到来。
- 行ってみたいところ
- 会ってみたい人
- 欲しいもの
- やってみたいこと
- 実現したいこと
ありませんか?
そんなことを考える時、もう脳の活性化が始まっています。
脳に「ワクワク状態」を作ってあげましょう。
そんなことが、健康な脳を保つことにつながっているのです。
間違ってはいけないのは、
- 「楽しむことが、結果的に健康な脳を保つ」のであって、
- 「健康な脳を目的に、何かに励む」のではない
ということ。
本の最後に書かれている一節を引用します。
何となく「認知症になりたくない」という消極的な理由で、義務感にかられて趣味を始めようとすると長続きしません。
まず夢をもって、夢を実現するために趣味を持つ という発想に切り替えましょう。
常に人生を楽しむ、という姿勢を忘れないようにしてください。
「ずっとやりたかったことをやりなさい」
最後に、とてもいい動画がありましたのでご紹介します。
登録者数あと少しで300万人(執筆時)の、オリラジ中田敦彦氏の「中田敦彦のYouTube大学」に最近UPされた動画です。グッドタイミング!
下の本を紹介している動画なのですが、仕事をやめた後どうするべきかを具体的に指南してくれます。
- 仕事をやめたら、今までのルーティンがなくなる
- 新しいルーティンを始めよう
- 4つのツールを使う
- 未来の秘密はルーティンの中にある
動画を見た方が早いですか?
あっちゃんかっこいい!
このメソッドで人生を振り返り、「ずっとやりたかったこと」が見つかるかも。ワクワクの人生再出発ができるかもしれません。
何をしたらいいかで迷っている方は、参考にしてみて下さい。
そして最初の一歩を踏み出してください。
・・・人生を、楽しみましょう!