やりがいの有り無しは別として・・・
会社で自分がやりたいことをやれている人は希少だと思います。
希望の部署に配属されても、そこでの仕事は思うようなものでは無かったり、その部署もずっとあるとは限らなかったり。
その中でも自分なりにやりがいを見つけて頑張っていることと思います。それでこそ人生に厚みが出るというもの。
でも、本当にやりたいことって何だろう。
人生経験を積んだからこそ、わかってくることがあります。昔の夢も、今だから厚みをもって語れるかもしれません。
定年後にやりたいこと、今から考えておきませんか?
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方
「本当にやりたいことは、あなたの中にあります」
・・・と、占いか予言みたいなことを言っておりますが、この本からの引用です^^
今回このコラムを書こうと思ったきっかけになった本でもあります。
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方
人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド
私が現役時代に入会した起業塾では「自分軸」という言い方をしていますが、この本のメソッドと同様なことを時間をかけてやりました。
その頃のことを振り返り今の自分を思って、「うん、そうだよなあ…」といちいち納得しながら読み進めました。
もし今、自分らしく生きていないと感じていたら、本書を読んで「本当にやりたいこと」について考えてみませんか?
すぐに答えが出なくても、これからの人生で様々な選択をするときの「自分なりの基準」ができることでしょう。
そして、これからの行動を通じてその想いがブラッシュアップされていくことと思います。
おすすめの一冊です。
「やりたいこと」って何だ?
「これからの人生、やりたいことをやりましょう!」
とはよく聞く言葉ですが、趣味のレベルならともかく、それを仕事とするならば 本当にそれが「やりたいこと」なのか をよく考える必要があります。
- 儲かりそうだから
- ブームだから
- 一度やってみたかったから
- できそうだから
のような基準でことを始めると、やがて続けるのが辛くなることでしょう。
5つの間違い
本書ではまず「やりたいこと」の5つの間違いとして、以下のようなものがあると説明しています。
✖ 一生続けられることでなければならない
〇 今一番やりたいことをやればいい
✖ 運命的な感覚がある
〇 最初は興味レベル
✖ 人のためになることじゃないといけない
〇 自分のために生きることが人のためにもなる
✖ 見つけるには行動するしかない
〇 見つけるには自己理解するしかない
✖ やりたいことが仕事にならない
〇 やりたいことは自分の中にある。実現手段は社会の中にある
「やりたいこと」は、セミナーで出会うものではなく、旅先で見つかるものでもなく、誰かのために始めるのではなく・・・
これらバツ印のような「思い込み」を外して、
自己理解(好き・得意・大事)を深め、
今一番やりたいことから始めて、
「やりたいこと」を育てていくのが、正しい方法。
「経験は決してムダにはならない」というのも真理ですが、自分に合わないことを頑張っても「やりたいこと」への近道にはなりません。
やみくもに行動を起こすのではなく、かといって立ち止まらず、「本当にやりたいこと」をみつけよう、というのが本書の導くところです。
「やりたいこと」と似た言葉
・・・では、「やりたいこと」とは?
勘違いしやすい表現を、本書から抜粋してみます。
やりたいこと ≠ 好きなこと
どうせやるなら 好きなことをやりたいですよね。
「好きなこと=やりたいこと」と考えがちですが、「好き」だけでやりたいことを決めるのはまだ早い。
ではまず、「好きなこと」とは?
好きなこと = 情熱
「好きなこと」とは「自分の情熱がある分野」である、と本書では定義しています。
その特徴は、
- ずっと成長し続けていける
- 興味があってもっと知りたいと感じる
- 関わるだけで面白い
- 自分の情熱がある分野
です。
「何の仕事をするのか(What)」を考える基点になりますが、
「好き」だけで仕事にできるほど甘くはないのは、皆さんも経験済みではないでしょうか。
やりたいこと ≠ 得意なこと
「得意なことなら人よりうまく出来そう」と思えますが、言葉の定義としては分けた方がいいようです。
ここで「得意なこと」の定義を本書に沿って確認しておきましょう。
得意なこと = 才能
「得意なこと」は「才能」と言い換えることができます。
- 自然と人よりもうまく出来てしまうこと
- やっていて苦なく心地よいこと
- 頑張らなくても無意識にやっている
- 仕事でなくても普段から自然にやっている
- 他の人に対して「なんでこんなことができないの?」と思う
例えば、気配りができる、整理整頓、時間を守る、情報を整理する、人前でしゃべる、1対1での会話、等々…
誰にでもそういうことのひとつふたつ、あるかと思います。気がついていないだけで、他人から言われて「そうなの?」と気付くものもあるでしょう。
自然とできてしまうことなので、どんな状況でも使える自分の長所であり、自分の得意な仕事のやり方を見つける鍵です。
「どうやって仕事をするのか(How)」を考える基点になります。
得意なこと ≠ スキル・知識
「得意なこと」とよく混同されるのが「スキル・知識」です。
得意なことは、生まれつき持っているもの
スキル・知識は、後で身につけられるもの
得意なことは、どんな仕事にも使えるもの
スキル・知識は、特定の仕事で活用可能なもの
スキル・知識は例えば、英語が話せる、プログラミングができる、楽器ができる、などです。
これらを身につけることを優先してしまうと、その先の選択肢を狭めてしまうことになりかねません。
順番は一番最後、「本当にやりたいこと」が見つかってから、必要であれば身につければ大丈夫。
やりたいこと ≠ なりたいもの
もうひとつ「やりたいこと」と似ている言葉に「なりたいもの」がありますが、全く別物です。
Youtuberになりたい、役者になりたい、のように「職業名」で考えてはいけません。
なぜなら、その職業のイメージ(成功イメージ)と、実際にやる仕事は同じではないからです。
なりたいもので「何をやりたいのか」が大事です。
やりたいことの「実現手段」として「なりたいもの」があるべきで、先になりたいものを考えると実現手段が限定されてしまうからです。
やりたいこと = 好きなこと × 得意なこと
ここまで、「やりたいこと」にたどり着くためのキーワード、「好きなこと」「得意なこと」という言葉が明確になりました。
では「やりたいこと」とは?
「やりたいこと」とは、 「好きなこと」を「得意なやり方でやる」こと、と本書では定義しています。
言い換えると、
「やりたいこと」は、「What(何を)」×「How(どうする)」の組み合わせ です。
例えば、本が好きだから書店で働こう!というのはまだ考えが足りなくて、本(What)が好きだから、書店での仕事内容(How)が好きとは限りません。
何をするか(What)に加えて、具体的な仕事内容(How)も自分にあっているか が大切というのが「好きなこと × 得意なこと」の意味です。
「本当にやりたいこと」とは?
「本当にやりたいこと」=夢中になり続けられるもの です。
「好きなこと」を「得意なやり方で」できたとして、その仕事に夢中になり続けるには何が必要でしょうか。
もうひとつの軸「大事なこと(価値観)」
「好きなこと × 得意なこと」=「やりたいこと」の前に考えるべき一番重要なこと。
それは、あなたにとって「大事なこと」つまり「価値観」です。
「やりたいこと」を自己満足(趣味)で終わらせないために、人に求められるもの(仕事)にするために、自分も他人も「飽きない(商い)」のがいい仕事の条件です。
そのためには、「大事なこと(価値観)」を中心に仕事を作ること。
「自分がこう生きたい!」という自分の人生の目的と、
「人にこんな影響を与えたい!」という仕事の目的が、
1本の線でつながっている時に仕事に夢中になれます。
その中心になるのが「大事なこと(価値観)」です。
例えば、やりたい仕事だけど残業だらけの場合。
仕事第一の人には充実した幸せな状態でしょうが、家族や自分の時間が大事な人には辛い状態でしょう。
「大事なこと」とは、「何のために働くのか?」「どう生きたいのか?」という問いに対する答え。
「やりたいこと」をしながら自分の価値観にあった状態になれるもの、「大事なこと」が満たされるものこそ、「本当にやりたいこと」です。
大事 → 得意 → 好き → 手段
「やりたいこと」は、何から考えるべきでしょうか。
間違えがちなのは、最初に「実現手段」を考えてしまうこと。
Youtube、ブログ、プログラミング、語学、資格、転職、起業、・・・
スキル・知識のところでも触れましたが、それらは全て「本当にやりたいこと」が見つかった後に考えればいいことです。
さらに言えば、会社も手段の一つでしかなく、目的ではありません。
まずは自分自身の「大事なこと(価値観)」を見つけて、「何のために働くのか?」という仕事の目的を決めてください。
その後で、やりたいこと、そのための手段を考えていけばよい、と著者は説いています。
答えは自分の中にある
以上、ほとんど本からの受け売りですが、私なりの解釈も少し加えて言葉を整理してみました。
本書の後半には、「大事なこと=価値観」「得意なこと=才能」「好きなこと=情熱」の見つけ方について、演習を含めた解説があります。
あなたの「本当にやりたいこと」を見つける、いいガイドになると思います。
ただ、本書に沿って考えていけばすぐに答えがみつかるわけではないでしょう。
一旦仮説を作ってみて、行動して、アウトプットして、また考えて、修正して、次の答えを作ってみて、行動して・・・
・・・を繰り返して、自分を理解していくものだからです。
正直、私もまだその繰り返しの最中です。
ですが、会社の仕事と大きく違うのは、「やりたいこと」「大事なこと」に確実に近づいている実感があるということ。
楽しくないことはやらなくてもいい、何をやるかは自分が決めるのですから。
きっとその先に「本当にやりたいこと」があると信じています。
最近読んだ記事で、「好き×得意×大事」を見つけた人の話がありましたのでご紹介します。
『人生がときめく片づけの魔法』で有名な こんまりさん の旦那さんですが、「自分らしさ」を無理なく発揮できる環境と仕事に出会って、充実した毎日を送れるようになったそうです。
使っている言葉は違いますが、
「自分らしさ×自分を活かせる環境・仕事 」=「好き×得意×大事」
と捉えることができます。
僕が自分らしく生きられるようになって感じているのは、「どんなに頑張ってもほかの誰かにはなれない」ということ。そしてほかの誰かになろうとするよりも、「自分らしさを活かした方が生きやすい」ということです。
私たちも、自分の価値観を理解して、自分らしく生きられる環境に辿りつけたら、きっと幸せな人生が・・・
自分の人生を見つめ直すチャンス!
「自分が本当にやりたいこと」なんて、考えるのめんどくさいし、知るのはちょっと怖い…
もしかしたら、今の仕事がつまらなく思えてしまうかも…
・・・でも、それはそれでひとつの収穫!
楽しくなるやり方考え方が見えるかもしれないし、楽しくない原因がわかっただけで気が楽になるかもしれません。
病名がわかっただけで気が楽になるのと同じように。
そして状況が許すなら、「本当にやりたいこと」の方向に一歩踏み出してみませんか。
考えてみれば、定年退職は否が応でも生き方のシフトを求められる時、またとないチャンスです。
今こそ、どの方向へ行くべきか、自分を見つめ直してみるのはいかがでしょうか。
私は偶然?にも、起業塾で同様なことを結構な金額を払ってやりました。
お陰様で、経済的にはともかく気持ち的にはずいぶん前向きな状態で、会社を卒業することができました。
まずはこの本を手に取って。
大事なのは、考え続けることと、一歩踏み出す勇気です。
自分の人生、楽しくしなくっちゃ!
2020.12.27追記
これを書いた後で気がついたのですが、中田敦彦氏もYoutubeでこの本とりあげてました。最近見てなかったからなー、あっちゃんさすがです。
動画では「やりたいことの見つけ方 実践編」というか、本書後半の方を解説してくれています。
動画をみてから本を読むのもよろしいかと・・・