今日は平成最後の日。
平成の30年間を経て、平成元年に入社した人が役職定年間近になり、定年後の身の振り方を考える年代になるころです。
自分のため家族のため・より楽しい退職後の生活を送るために、流れに身を任せずに、これからのことをじっくり考えてみるのは如何でしょう。
定年後に思いをはせるのに役に立つ本は沢山出ています。
今回はそんな「定年本」のいくつかをご紹介します。
あなたの「令和」を、いい時代にしましょう!
「平成」を括ってみた ~私の場合
今日のテレビはどこも「平成最後特集」で、ああそんなことあったなぁという懐かしい映像オンパレード。
どうでもいいと思いながらも、横目でちらちらと見ちゃいます(笑)
あれ何年前だっけ?の計算には不便な元号も、時代をひとくくりで振り返るときには便利ですね。
私はと言えば、社会人のスタートは昭和60年(1985年)、平成まであと4年弱でした。
結婚したのが昭和63年末。昭和天皇が病の床にあり昭和の終わりが近づいている中、そのずっと前から予約していた式場はなんと皇居の真ん前。
もし崩御と重なったらどうしようとハラハラしておりました。クリスマスを新婚旅行先のオーストラリアで過ごし、現地で年を越して帰国した数日後に、年号が変わって「平成」になりました。
年月が過ぎて娘は社会人になり、平成最後の年となった今年の春に息子も就職。
我が家にとって平成は、家族が出来てから子供が巣立つまでの時代ということができます。
そして会社員としての平成は、入社4年目から平成30年に辞めるまで、前職のほぼすべてを過ごした時代でした。
がんばったな、平成。(^^ゞ
皆さんにもそれぞれの平成があることでしょう。
私が読んだ「定年本」5選 ~「令和」のセカンドライフに向けて
令和になって急に世の中が変わるわけではありませんが、
きっと今日のように「令和」も一つの時代として振り返る時がくるでしょう。
これから定年を迎える人、私のように定年を迎えたばかりの人にとって、
「令和」は退職後人生、すなわちセカンドライフの時代そのものになると思います。
そんな我々の参考書として、私が読んでみた本をいくつかご紹介します。
定年後 - 50歳からの生き方、終わり方
楠木 新 著 中央公論新社 (2017/4/19)
内容紹介
自営業などを除けば誰もがいつか迎える定年。社会と密接にかかわってきた人も、組織を離れてしまうと、仕事や仲間を失って孤立しかねない。お金や健康、時間のゆとりだけでは問題は解決しない。家族や地域社会との良好な関係も重要だ。
第二の人生をどう充実させたらよいか。シニア社員、定年退職者、地域で活動する人たちへの取材を通じ、定年後に待ち受ける「現実」を明らかにし、真に豊かに生きるためのヒントを提示する。
楠木新氏は他にも定年本をいくつか出版していますが、中でもこの本は定年本を語るうえで必ず出てくる本の一冊であり、おそらく「定年本」ジャンルを決定づけた本の一つではないかと思います。
多くの人に取材して書かれており、リアルな事例が豊富です。自分が体験してから読み返すと改めて頷くところもあります。
事前情報、いい方向に行くためのガイドとして役に立てましょう。暗い気持ちになる必要はありません。
今回パラパラと読み返してみて、
第3章「亭主元気で留守がいい」の「家庭内管理職」という言葉に笑い、
第5章の「社会とどうつながるか」の「ハローワークで相談すると」の項のリアルに頷きました。また、
第6章「居場所を探す」での地域活動を安易に考えてはいけないという部分は、「退職したら地域で何か…」と漠然と考えている人への警鐘になるでしょう。
巻末の参考文献も非常に参考になります。
50歳からの人生術 - お金・時間・健康
保坂 隆 著 中公新書ラクレ(2018/2/7)
内容紹介
老後の質は、自分自身で作るもの。お金があるからといって幸せとは限らない-。精神科医として長年中高年の心のケアをしてきた著者は、人生後半で大切なのは「少ないお金でも心豊かに過ごすこと」だと説く。
定年を意識し始める50歳から、「老後のためにお金を貯める」のではなく「いまを大切にしながら暮らしを考える」ことで、お金の不安を静かに解きほぐし、「楽しい老後」への道を開く!心が軽くなるスマートな生き方のヒントが満載。
保坂隆氏は精神科医でありその方面の著作も豊富ですが、特に「老後をラクにする」方向で書かれているようです(タイトルからの推察)。
定年後への備えを説くうえで「50歳」を人生の中間地点として大事にとらえており、定年本というより「50歳本」と言った方がいいかもしれません。
「定年後の人生は50代から準備しよう」という内容で、激しく同意。
そのために何をすればよいかのアイデアが数多くあり、行動を起こすヒントにしていただけるのではないかと思います。
図解 50歳からの人生が楽しくなる生き方
保坂 隆 著 ディスカヴァー (2018/6/14)
内容紹介
20歳で就職したなら、50歳時点でキャリアは30年。平均的な日本人の人生には、それ以上の時間が残されています。50歳は人生の折り返し地点です。「2回目の人生」を始めるのに定年を待つ必要はありません。
十分な人生経験を積んだ上で、心も体力もまだまだ元気だからこそ、50代は新しい生き方にシフトする最適なタイミングです。自分の責任は自分で取るという責任感を持ったうえでわがままに自分らしく生きていいのです。
これも保坂隆氏の著作ですが、図解と名打っているだけあってポイント要約+イラストで非常に読みやすく、パラパラとめくるには良い本です。「50歳からの人生術 - お金・時間・健康」とあわせて読むと、より理解が進むと思います。
50代の方が定年後に向けての現在位置を知る入門本として如何でしょう。
定年後不安 人生100年時代の生き方
大杉 潤 著 角川新書(2018/4/7)
内容紹介
57歳で会社員を辞めた著者が伝える「人生の設計図」の作り方。会社員のまま過ごしていれば安定は得られるが、それも65歳まで。ならばよく言う「現役で働き続ける」ことは本当にできるのか。57歳で退職した著者が伝える具体的な方法論と解決策、トリプル・キャリアの考え方。
大杉さんは、コンサルと研修講師そして出版、将来はハワイでの執筆生活を視野に活躍中。そして私がお世話になっている起業塾の先輩でもあります。ビジネス書を一日一冊読破して毎日書評をあげている、その冊数は1万冊を超えているスゴイ人です。
私なんか本一冊読むのにどんだけ時間かかってるんだか。尊敬。
そんな大杉さんが書いた本書は、人生100年時代を3つのキャリアに分けて充実させていこうというもので、第1のキャリアは定年退職までの「雇われる」働き方、第2のキャリアは好きなことを仕事にする「雇われない」働き方、第3のキャリアは75歳前後で働き方をチェンジして「好きな時間・場所・仲間と働く」働き方、を提唱しています。
そんな考え方もあったか!と思ったら、ご一読をおススメします。
豊富な読書量を反映して、巻末の参考文献も大変な量で、こちらも参考になります。
本書の中で氏は、本を読むことの大切さ(情報インプット)と共に、それをアウトプットすることで脳に刺激をあたえ、情報が整理できると説いています。
…やっと少しだけアウトプットできました。 (^.^;
五〇歳からの定年準備
河村 幹夫 著 角川書店(2005/6)
内容紹介
会社をまっとうする雇用定年、仕事を充実する仕事定年、そして老後の人生をよりよいものにする人生定年。五〇歳で三つの定年の心構えをもつためのアドバイスが満載。
第1の定年=他人が決める「雇用定年」、第2の定年=自分が決める「仕事定年」、第3の定年=神様が決める「人生定年」として、雇用定年後の人生をどう楽しく生きるか、という内容です。
この著者もやはり50歳からの心構えが大事と説いていますが、ハウツー本というよりコラムやエッセイ風の味わいで、すらすらっと読める内容です。
第1章の、「雇用定年後に、自分の人生が始まる」「必要なのは好奇心とガッツ」「会社に頼らない生き方の選択」に、著者の考え方がよく表れていますね。私もそう思う。
心構えを考える読み物として、おススメです。
「定年後」特集雑誌など
マメに買っているわけではないのですが、気になる雑誌類は買っています。
古いものが多くて申し訳ありませんがご参考までに。
週刊ダイヤモンド 2017年 9/2 号
定年後の歩き方 お金・仕事・人脈
特集の中で、定年前後の不安が「金」「健康」「孤独」の「3K」として取り上げられ、定年後不安の「3K」という言葉が一般化するきっかけになった特集だったのではないかと思います(違っていたらゴメンナサイ)。生涯現役が最強の歩き方、ぬるま湯50代とか、刺激的な見出しが並びます。気になっちゃいますね~(笑)
PRESIDENT (プレジデント) 2019年3/4号
毎日が楽しい「孤独」入門
タイトルだけ見ると「孤独のススメ」みたいなイメージを持ってしまいますが、ここでいう「孤独」とは決して「引きこもろう」「山にこもろう」という話ではなく、簡単に言うと「群れない」ということみたいです。
自由な自分をもって、嫌な人とは距離を置いて、好きなことで人とつながろう、楽しい所に参加しよう、のような特集です。
そういう「孤独」なら私も歓迎だな(笑)
一人でも参加できる楽しいこと特集とか、SNSで孤立しないためのマナーとか、タイトルから想像するとあれっと思うところも。
中身は割と無難だったりします。
PHP 増刊 2019年 04 月号
50代から「いいこと」を引き寄せる
後半生は「悪いこと」を遠ざけ、「いいこと」をぐいぐいとつかみたい、というPHP増刊。
斉藤孝氏(明治大学教授)の「『いいこと』は機嫌のいい人に訪れる」とか、木下ほうか氏(俳優)の「”棚ぼたの幸運”よりも行動を」とか、枡野俊明氏(曹洞宗住職)の「起きたことを受け止めて前に進もう」とか、一読の価値あり。
これらは私が「刺さった」コラムですが、他のコラムも前向きなお話ばかりです。ぐいぐい来てる、PHP。
来たる定年後、いい「令和」にしましょう!
以上、書評家でもなくこのジャンルを網羅しているわけでもありませんが、少しでもご参考になれば幸いです。
これからの人生を前向きに、先回りして準備して、
いい「令和」を、いいセカンドライフを送りましょう。
明日から始まる新しい令和の時代が、あなたにとって充実した日々になるように、心から願います。
おぉ~、もうすぐ平成が終わるぞ~~!!