前回に引き続き、世のお父さんを凍り付かせるタイトルの本
『お父さんがキモい理由を説明するね』
をネタにさせて頂きます。
今回はちゃんと本の紹介をします (^^ゞ
タイトルだけで拒絶反応を示してしまうお父さんのために先に言っておくと、娘に嫌われたお父さんの自虐本ではありません。ご安心ください。
父親として伝えたいことだけでなく、奥さん(両親)、おじいちゃんから伝えておきたいことについても、沢山のヒントがありました。
「お父さんが嫌いな理由」を、しっかり聞いてみましょうか
『お父さんがキモい理由を説明するね』という衝撃的なタイトルの本、ご存知ですか?古本屋で見つけましたが、これが面白い!娘さんに限らず、家族とのコミュニケーションをどうにかしたい方へのヒントや、子供に伝えたい大事な事がたくさん含まれています。
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「父と娘のマジトーク」
『お父さんがキモい理由を説明するね』は、
2013年11月~2014年1月にBusiness Media 誠で連載された「父と娘のマジトーク」に、大幅な加筆と新たなマジトークを加えて書籍化したものです(2014年4月刊)。
「父と娘のマジトーク(その1~その10、他)」はリンク先で読めますので、まずは是非そちらを読んでみてください。
父の投げかけるお題に見事に切り返す娘、タジタジの父。
笑って、考えさせられます。
本の方は、それぞれのトークに追加トークを行って、さらに奥さんとおじいちゃんを巻き込んで深い話題に突入し、連載の倍ぐらいの分量になっています。結構な厚さです。
続きが気になったら、買ってみて損はありませんよ(笑)
お父さんがキモい理由を説明するね―父と娘がガチでトークしました (Linda BOOKS!)
お父さんがキモイ理由
中学1年生のサオリさん(仮名)が、世の男性の中でぶっちぎりにお父さんをキモイと思う理由とは…
サオリさん曰く、
- 本当に「オェェ……」て感じで気持ち悪い
- 行動とかしゃべり方とか……存在そのものが気持ち悪い
・・・あぁ、救いようがない(涙)
「口ではキモいとか言っていても、尊敬の裏返し表現に違いない」と思っていたお父さんの自信は粉々に打ち砕かれてしまいます(笑)
そうなってしまった直接の理由は、前回のコラムでも書きましたが
小さいころのようなスキンシップと可愛がり方を、
子供が思春期になっても同じように続けていること、
それが正しいと信じていること、でした。
「もうやめてよっ!」
て本気で思っている娘さんの気持ちにお父さんは全く気が付いていなかった、ということか…
思い当たる方は気を付けましょう…
うちは・・・ スキンシップ?? モノで釣る??
・・・思い当たらない(^^ゞ
(一応書き添えておくと、誕生日・クリスマスには家族で簡単なプレゼント交換とかしております。喜ぶ顔は見たいのです、ハイ 笑)
娘さんに嫌われないためにはどう接するべきかのヒントについては、前回のコラムでNHKの特集からのポイントをまとめてありますので、ご参考にしていただけると幸いです。
「マジトーク」をどうやって始めるか
テーマを決めて、娘さんと真剣に話し合う「マジトーク」。
実践出来たら、お互いに得るものは大きいようです。
とはいうものの、「お父さんと話をするなんて時間のムダ」、もしかしたら「顔を見るのも嫌」レベルの嫌われ方をされていたら、とても実現できそうにありません。
そんなときはどうしたらいいか・・・
やはりここは、お母さんの出番。
父: メリットは多いマジトークだけど、具体的にどう始めればいいかな? やってみようって思うお父さんの中には、わが子が誘いに乗ってくれるかどうか、不安に思う人もいると思うんだ。
娘: 確かに、いきなり2人きりで話すのは、抵抗あるかもね。
父: だろ? われわれをそのまま真似ることができない親子もいるかもしれない。どうしたらいいかな?
娘: お母さんがいてくれるだけで、娘はずいぶん話しやすいと思う。
父: つまり、2人きりじゃなくて、父と母のセットってことね。
娘: 父と娘でやるのは、3人で話すのに慣れてからのほうがいいよ。
(父と娘のマジトーク・番外編 より)
話題は何からはじめたらいいか?についても、同じリンク先でのサオリさんの意見によれば、
話題は何から?
- まずは母親を入れて3人で、恋愛系など軽めのテーマから
- 子供の興味関心を話題に。これがわからないのはダメ
- 父と二人で話せるようになったらまず「父がキモイ理由」を明確にすべし(!!)
え~~~と・・・
これはサオリさん(仮名)の体験からくるご意見ですから「父はキモい」が前提になってますが、「世のお父さんは娘から見たらみんなキモいからね」というわけではないと思いますから・・・ たぶん。
しかし、最初の二つ(母親を入れて3人で、子供の興味関心を)は使えますね。
子供の興味関心なんてのは、普段からコミュニケーションがないとわからないですよね。
いきなり「マジトーク」じゃなくて、まずは普段のコミュニケーション。
母親の協力が必要なら、夫婦間のコミュニケーションもね・・・
子供と話しておきたいテーマについて
娘さんからの思わぬ恋愛相談から始まった「マジトーク」のお題とは。
目次から抜粋します。
父と娘のマジトーク
- 恋愛について
- 父がキモイ理由
- 夢と目標について
- 長所と短所について
- 芸能界入りについて
- 英語と留学について
- 友情について
- いじめについて
- 生きる意味について
父と娘と妻のマジトーク
- ”正しい彼氏の見つけ方”について
- ”後悔”について
娘とおじいちゃんのマジトーク
- 家系について
- ”後悔”について
- 死について
・・・どれも「ガチトーク」してみたいテーマですね。
親子でこんなことを真剣に話す機会ってなかなかないので、無理にでも機会を作らないと話せないことばかりのように思います。
「父と娘と妻のマジトーク」では、作者が初めて聞いた奥さんの話も多々あったようで。
うちもたぶん、多々ある(笑)
「娘とおじいちゃんのマジトーク」も同様ですが、さすがおじいちゃんの話す内容は淡々と深くて、
うちも子供たちとおじいちゃんのマジトークの機会を強引にでも作ってあげたら、きっとすごい話が聞けたんじゃないかな、としばし思いをはせました。
ひとりは他界し、もうひとりはボケ始めていて、もう無理ぽいんですけど。
お互いに「話さなくてもわかるでしょ」と思っていることも、話してみたら予想外というのはよくあります。
親子だとさらに「わかるでしょ」の度合いが強いのでますます話す機会を作らなくて、実はまったくわかっていなかった!ということもすごくありそうな気がします。
普段のコミュニケーションと、本音トーク。
両方大事。
自己分析ツール「Positive Intelligence」
マジトーク4回目で「長所と短所」についてガチで話し合うにあたり、作者さんはひとつの客観的ツールを使っています。
それが「Positive Intelligence」というオンラインの診断テストで、質問に答えていくだけで自身の特性(強みや弱み)が掴めるというものです。診断テストは簡単で、5分ぐらいで終わります。
自分を客観的に評価してみるのはいいことですね。
私もやってみましたが、・・・結果は伏せておきます ^^;
子供たちはどうなんでしょう。親が見ているのと同じなのか、違うのか。この本のように、お互いに見せ合うのも面白いですね。(いや~、なかなかできないとは思うけど・・・)
自己診断ツールとしては、無料だしボリュームも適当でよいと思いました。
夫婦でやりたい「エクストリームコミュニケーション」
もうひとつ、この本からは離れますが、作者さんがやっていたコミュニケーションのツール(お題)に、「エクストリームコミュニケーション」というものがありました。
「宝くじで1億円が当たったらどうする?」「子どもが性同一性障害を告白したら?」などの架空の話について対談するというもので、
お互いが極限の状況で何を優先するのか、どういう考え方や行動をとるのか、いざというときの予行演習になりそうで、「ガチトーク」同様に相互理解を深められそうです。
夫婦でこんな話が出来たら面白いですね。
作者さん夫婦が実際にやってみた経緯と結果がこちら。
上記リンク一覧の第一回目に、「エクストリームコミュニケーション」が始まったきっかけが載っているのですが、作者と奥様(というか男と女)の「コミュニケーション」に対する考え方の違いがあって、これがまんま以前感じたことと同じなので笑ってしまいました。
私の定義 | 妻の定義 | |
---|---|---|
定義 | 議論や意見の交換を通じて問題解決を試みる行為 | 目的やゴールを設けぬまま言葉のキャッチボールをし、共感しあう行為 |
目的 | 明確にする | あいまいでOK |
時間 | なるべく短時間で終わらせる | 時間はあらかじめ制限せず、気の済むまで続ける |
テーマ | 事前に設けた議題をクリアする | 議題やテーマは臨機応変に変化してかまわない |
成果 | 成果を求める(新しい知識、両者間の合意、情報の習得など) | 共感しあう、互いの理解を深める |
「コミュニケーション」の定義
夫は納得、妻は満足――の会話ノウハウを探せ! より
うーむ、まったく正反対です。私の定義は妻には「事務的でドライすぎる。味気ない」と映るようです。互いの話がかみ合わないのも、無理はありません。
わかるぅぅ~~(笑)
そして、ある出来事をきっかけに、「一度話し合っておいて損はないこと」をテーマに夫婦対談をしようということになったそうです。
私の場合、退職のこととか起業のこととか、今まで話したこともないようなことを奥さんに話すときには少なからず緊張しましたが、こういう会話で普段からお互いの価値観を知っておけば、いざという時の動き出しはラクでしょうね。
うちは・・・ お墓のこととかお互いの親のこととか、ちょっと先の現実的なテーマで話しておかないといけないことがありますね。先にそっちかな(汗)
男性も学ぶところあり!~「“女の友情”の悩み」
NHK あさイチの特集「“女の友情”の悩み どうすればいい?」、男性(特に会社を離れた男性)にも参考になる話が満載でした。「友情」の扱い方と同時に、女性ならではの感じ方を知っておくと、夫婦のコミュニケーション改善にも役立つかもしれません。
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思春期のお子さんとのコミュニケーション術
「マジトーク」では、娘さんと会話をするときの「マイルール」があったそうです。
- 『お父さんがキモい理由を説明するね』の作者に聞く
思春期のわが子とのコミュニケーション術 | ハフポスト
出版後のインタビューより、
中山さん流
子どもとの会話の引き出し方5カ条
- 相手の興味から会話の糸口を探る
- 言いたいことは著名人の言葉や著書の力を借りる
- 「聞く:話す=8:2」で引き出すように対話をリードする
- 説教はぐっとこらえる
- 相手の想像を超える返答をする
娘さんの思考レベルは中学一年生とは思えないものがありますが、お父さんも娘さんの想像を超える返答をしようと努力しているあたり、親子レベルの高さを感じさせていいですねー。
コミュニケーションは「言ってオシマイ」ではなく、「相手に伝わる」のがキモ。
今からでも見習うべき点があるかと。
参考にしよう。
閑話休題・・・ 電車にこの本を置き忘れた話(恥)
それにしてもこのタイトル、刺激的ですよね。頭に残る。
先日、電車の網棚にこの本が入ったバッグを置き忘れてしまいました。
電車を乗り換えたところで気が付いてあわてて引き返して、駅の忘れ物センターに駆け込んで、アワアワとバッグを置き忘れたことを駅員さんに訴えます。
「で、中には何が入ってます?」
「手帳と、スマホの充電器とケーブル類と、あと本と…」
「本のタイトルは何ですか?」
「えと、あの、…『お父さんがキモイ理由を説明するね』って本で…」
それまで極めて事務的に、どちらかというと不愛想で絶対心の中では「しょーがねーなー」って言ってそうな年配の駅員さんの表情が一瞬ゆるんで「プッ」と噴き出しそうになるのを私は見逃さなかった。
う?勘違いされてる?!
「あの、これ私のことじゃないですからね、あくまで参考に読んでるだけですからね、中身はすごくいい本でね、親子だけじゃなくてコミュニケーションの基本的な#$%*`=I'&$・・・」
…てな弁解をまくしたてたくなるのを必死でおさえながら(言ってない)、見つかった場合の連絡先とかを伝えたのでした。
しかし、本の名前を言ってから急に駅員さんの表情が柔らかくなって、何となく親切になったように感じたのは気のせいかな。彼もお父さんかな(笑)
その夜、無事に終着駅でバッグが見つかったとの連絡がありました。
チャンチャン♪
いざというときにはマジトークもできる関係になりたい
娘さんからのありえない相談ごとをきっかけに始まった「マジトーク」ですが、
そのきっかけをいかしての「マジトーク」定例化、お題の設定、会話の内容や進め方は、IT企業で働くお父さんらしくとても体系的で、家族のコミュニケーションの「ネタ」として参考になるものが多いかと思います。
また、娘さんの悩み(恋愛相談)と作者さんの悩み(何とか娘の気持ちを知りたい)から始まって、
徐々に深い話題に進んで相互理解を深めながら、周囲も巻き込んで人生において大切なことも伝えていくという、単なる親子の関係構築にとどまらず深い人生論にまで発展していく展開には感心します。
娘さんもとても素直で頭の良い方のようで、お父さんのお題にきちんと向き合っていて、深い所でしっかりつながっていることを感じさせます。
結果、相変わらずキモいと言われながらも、お互いに本音を話し合える関係が築けたようです。
いい親子じゃん・・・
しかしながら、こういう誘いに乗ってくるかどうかはその家庭次第・親子関係次第で、何をマジトークするか、どのタイミングでどういう場を作るかは、それぞれのお父さんが必死で考えないといけないんでしょうね。
できれば、お母さんの協力を得て。
私はと言えば、娘はもうとっくに手を離れていて相談事と言えば力仕事か運転手ぐらいで。
彼氏の相談とかされたらどうしよう。あ、いや、相談されたことなかった(笑)いきなり紹介とか?そうかな。まあいいや。うろたえるんじゃないオレ。
今なら社会人になったばかりの息子にエラそうなことの一つも言ってみたいオヤジですが、残念ながら大してエラくもないので、最近読んで「これ若いころ読みたかったな~」と思った本を一冊、贈ってやろうと思います。
たくさん失敗して、英雄になってください。君ならできるさ。
(149)英雄の書: すべての失敗は脳を成長させる (ポプラ新書 く 4-1)
愛情表現は様々だけど、子供の幸せを願わない親はいないんだな (*^^*)