この本、持ってるのにまた買っちゃったよ… ということありませんか?
私は、あります。(^^ゞ
今日は、ある動画を見ていて
「おーメチャ共感できるー!」
「ていうかもう言いたいことそのまんまじゃないですか有難うー!」
と思っていたら、
「あ、これ前に見たやつだ…」
と、途中で気がつきました。あらま
でもあらためてイイ話だし、自分が感じるポイントも変わってきているので、もう一度取り上げてみたいと思います。
この研究結果、皆さんはどう感じますか?
TEDx「人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から」
まず、この動画を見てください。
12分半、字幕付きです。
「今そんな時間ないよ」という方はすっ飛ばしてくださって結構ですが、あとで見ると「なるほど」と感じていただけると思います。
超長期の調査研究とそこから導かれるものが、わかりやすく語られています。
ロバート・ウォールディンガー:
人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から | TED Talk
2015年11月、ハーバード大のロバート・ウォールディンガー教授による、75年にわたる追跡調査で得られた幸福と満足感に関する研究結果についてのトークです。
実はこの動画については1年ちょっと前に熱く取り上げていたのですが、今日たまたま見ていたYoutubeリンクから再び見る機会がありました。
初めて見たような感動を覚えて(実は途中まで本当に忘れていたのですが^^)、もう一度触れておこうと思った次第です。
以前この動画に関して書いたコラムでは、
「『良い人間関係』は『健康で長生き』につながる」という部分にフォーカスしましたが、
今回はこの動画の本来のテーマである、
「『良い人間関係』は『人生を幸せにする』」・・・
ん~違う、もう一歩踏み込んで、
「人生を幸せにするのは、良い人間関係である」
という研究結果について、お伝えしたいと思います。
健康な未来のために ~ 80歳の時の健康は50代の人間関係で決まる!
人生を健康で幸せにしてくれるものは?75年間に及ぶ追跡調査から導き出された答えは「よい人間関係」です。人にとって最も重要なのは「50代の時の人間関係」で、この時の人間関係に満足している人は80代になった時に健康だったそうです。50代、大事!
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追跡調査の概要(1938年~)
1938年に始まったこの研究は、二つの対照的な男性グループを追跡調査して「人の人生」を観察し、「幸福と健康の持続に必要なのは何か」を探索しようという壮大な試みです。
名付けて「ハーバード成人発達研究」。
資金不足や戦争による中断の危機を乗り越えて、数世代にわたる研究者たちが 75年ものあいだ根気強く研究を続けてきました。
二つの対照的な男性グループとは、
- グループ1:名門ハーバード大学の2年生たち
- グループ2:ボストンの極貧環境で育った少年たち
この二つのグループ合計724人を追跡調査し、仕事や家庭生活、健康などを記録してきました。
元の724人は長い時間を経て現在約60人になりましたが、今はその子供たち2千人以上が新たに研究に参加しているそうです。
調査方法はといえば、
- 1年おきに研究スタッフが参加者に電話をして調査協力を依頼し、質問表を送ります。
- それだけでなく、参加者の居間でのインタビュー、医療記録、血液検査、脳画像も撮ります。
- 話を聞く相手も本人だけでなく、両親、子供、妻にもインタビューしています。
- インタビューだけでなく、彼らが妻と最も気がかりなことに関して話し合っているところを撮影したりもします。
・・・気の遠くなるような膨大で、長く、忍耐強い調査です。人類全体にとって有益な結果が得られるはずだ!という信念がないと続けられないですね。
研究者たちも偉いですが、これを研究テーマとして続けてきた大学もすごい。
人間関係に関する3つの大きな教訓
「エリートの若者たちと、スラム街の若者たち」
という、対極にある2つのグループに属する人々を75年間追跡調査してわかったこと。
それは、富でも、名声でも、無我夢中で働く事でもなく、「私たちを健康に幸福にするのは、良い人間関係に尽きる」という事なのです。
詳しく聞いて行きましょう。
人間関係に関して3つの大きな教訓があったそうです。
孤独は命取り
人間関係と健康に関して分かったことの第一は、周りとの繫がりは 健康に本当に良いという事。
孤独は命取りで、家族 友達 コミュニティとよく繋がっている人程、幸せで身体的に健康で、繫がりの少ない人より長生きするという事が分かりました。
孤独は害となるという研究結果が出たのです。孤立化を甘んじて受け生活している人は、あまり幸せに感じていないのです。
ここで重大な事は、友人の数だけがものをいうのではなく、生涯を共にする相手の有無でもないのです。
重要なのは 身近な人達との関係の質なのです。
元気で体が動くうちは自分ひとりで何でもこなせても、歳をとると思うようにできないことが増えてきます。それはもうもどかしいほどに増えていきます。
私の父は、地域やご近所での知り合いお友達が多い人でした(すでに他界)。
母も社交的な人で、今もご近所のお友達と行き来しているようです。大きな手術を経て体調万全とはいえませんが、お友達や私たちの支えもあって、まあまあ良い毎日を送ってくれています。
一方、妻方のお義父さんは、とても良い人なのですが、かつての人付き合いは仕事中心でご近所づきあいは全くなく、90歳を超えて耳も頭も遠くなり、一人では何もやることがなく子供たちに頼り切りの生活です。
身近にいい人間関係があるというのは人生の最後の方でとても効いてくるなぁ… ということを、ここ数年身近に感じています。
50才の人間関係が、80才の健康に影響する
二つ目にわかったこと。
彼らが50才の頃のデータを全て集めてみると、どの様な老年を迎えるかは、中年のコレステロール値等とは関連性はなく「50才当時の人間関係の満足度」で予測される事が分かりました。
50才で最も幸せな人間関係にいた人が、80才になっても一番健康だったのです。親密な良い関係がクッションとなり、加齢過程での様々な問題を和らげてくれてるようです。
中でも特にパートナー共に幸福だと感じていた人達は、80代になり身体的苦痛があっても 精神的に幸福だという報告が出ています。
しかし不幸な関係にある人達は、身体的苦痛がある日には、精神的苦痛でその身体的苦痛が更に増幅されていました。
50代での人間関係が、80代での健康に影響を及ぼすとは!
・・・これに関しては、以前別コラムで書かせていただきました。
お義父さんの話を続けます。
温和で人から嫌われるようなことはなく、むしろ人から好かれるタイプの好人物ですが、積極的にお友達をつくることは得意ではなく、歳をとって新しいものへの興味も気力もなくなり、今から何かを始めるのは無理。そんなわけで無理やり通っているデイサービスも嫌い。
決して孤独が好きだったわけではないお義父さんですが、今はとても寂しそうな毎日で、たまの週末に私たちが泊まっていると実に嬉しそうです。
お義母さんが先に逝かなければ、いい会話の相手だったのに…
私の父がまだ生きていたら、飲み仲間になってくれていたのになあ…
残念ながらお義父さんの同年代のお友達は殆んど亡くなってしまいました。ご存命でも一人では行き来できないでしょうね、たぶん。
年代を超えた仲間もいると、いいですね。
ホリエモンに学ぶ ~定年世代の我々こそ、年代を超えたおつきあいを
コミュニティが家族か会社しかない、同じ年代の人たちとしかつるまないのが当たり前。ホリエモン氏が、そんな人たちに危機感を感じていることを語った動画があります。豊かな人生を歩むためには、遊びを全力でやる!年代の壁を超える!ことが大切だと説いています。
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良い人間関係は、脳を守ってくれる
人間関係と健康に関して分かった3つ目の大きな事は、良い人間関係は身体の健康だけでなく、脳をも守ってくれるという事です。
堅固な良い関係をしっかりと80代にまで持ち続ける人は、その関係に守られています。
そういう関係にいる人 ~何かあった時本当に頼れる人がいると感じている人~ の記憶は、はっきりしています。
一方、パートナーには全く頼れないと感じている人には、記憶障害が早期に現れ始めます。
良い人間関係といっても、波風がない訳ではありません。ある80代のカップルは、明けても暮れても小言を言い合っているかも知れませんが、お互い頼り合えると感じている限り、彼らが苦難に遭遇した時、口論しても後々まで残るという事はありませんでした。
ある80代のカップル… お義父さんと、今は亡きお義母さんのことを思い起こしてしまう私です。
いい話し相手、大事。
そして私たち、頼りにされてるかな。
定年退職後 一番幸福な人は…
トークの終盤で、とても大事なことを言っています。
要約します。
- 良い人間関係が有益なのはあたりまえだが、築きがたく無視されやすい
- 何故か?家族や友達との関係をうまく維持して行くのは至難の業
- 地味な努力を死ぬまで続けなくてはならない
そして75年間に渡る研究でわかったことのひとつが、
- 定年退職後一番幸福な人は、仕事仲間に代わる新しい仲間を自ら進んで作った人達だった
確かに、人間関係はめんどくさい。
でも定年退職後は、嫌な人とは関係を断つこともできるし、仕事上の付合いだけの人は自然と消えていきます。
その代わりに仕事とは無関係の、自分の好きなことでつながる仲間を作ることができます。
そうは言っても断つことのできないのが、血縁関係。
人それぞれの歴史があることと思いますが、こちらもいい関係にランディングさせたいものです。思い出すようにやってくる心のざわつきが、ずいぶん違います。
ウォールディンガー氏が言うように、家族や友達との関係をうまく維持して行くのは至難の業ですが、重い腰を上げて、地道な努力を続けて、みんなで幸せな人生に近づいて行きたいものです。
幸せな人生を信じたくなる傑作映画
さてさて、ここまでご紹介したTEDトークを久々に見るきっかけとなったのが、マコなり社長のこのYoutubeです。
大好きな映画が5本中3本紹介されていて「おぉ共感!」、そしてこのTEDトークが紹介されていたので見てみたら… というわけです。
ここで選ばれている映画をばらしてしまうと、
5位「きっと、うまくいく」
4位「ショーシャンクの空に」
3位「最強のふたり」
2位「天使のくれた時間」
1位「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」
観た後で、さわやかな感動につつまれる名作ばかり。
どの映画にも「良い人間関係」が根底に流れています。
このなかでも、「きっとうまくいく」は私が大好きな映画です。あまり期待せずに観て、ストーリー展開の意外さと大きな人間愛に感動しました。ちょっと長いですが超おすすめ!
…と言いつつも1位2位はまだ観ていないので、そのうち絶対観よう(^-^;
人生の満足度をあげるために
今世紀生まれの若者に「最も大切な人生の目的は何ですか?」と訊ねた調査があります。
80%以上が「富を蓄えること」、そのうちの50%のもうひとつの大きな目的は「有名になること」だったそうです。
一方、75年間の研究で繰り返し示された結果は、
- もっとも幸せに過ごしてきた人は、人間関係に頼った人々だった
- 人間関係とは、家族、友だち、コミュニティなど様々だった
ということでした。
個人の考えではなく、長年の研究結果として語られているところに重みがあります。
そしてウォールディンガー教授の結びの言葉は、
「良い人生は、良い人間関係で築かれます」
人の価値観はそう簡単には変わらないと思います。これが自分にもあてはまるかどうか、納得できるかどうかは、人生の終盤にならないとわからないのかもしれませんね。
私の場合は、年老いていく両親に寄り添ってみて、自分も歳をとるにしたがって、
身近な人を大事にして、
たくさんの笑顔に囲まれて、
いい人間関係の中で、
ストレスなく過ごしていきたい。
という思いが強くなってきたように思います。
・・・いや、前からそう思っていましたが、この研究結果を見てますますその想いを強くした次第です。
とりあえず、上でご紹介された映画を観てみませんか?
そして、素敵な気持ちになりましょう。
ずっと、そんな気持ちで人生を送れたら…