私事で恐縮ですが、先日義理の母が亡くなりました。
半年前の大動脈瘤手術の傷が癒えず、86歳の生涯を閉じました。
もう少し先かと思われましたが何に呼ばれたか皆が集まった中、静かに息を引き取りました。看護師さんや先生も多数病室にやってきて涙してくれました。いつも観音様みたいに微笑んで、みんなに愛される優しい人でした。
危篤状態になり、そろそろ葬儀についての話を始めた方が… と話をしていた矢先のこと。
担当医による確認のあとはご葬儀のあれやこれやがバタバタと進んでいきますが、今回、義母が残してくれたものがあり大変助かりました。
記憶が新しいうちにそれらを記しておくとともに、私も見習って準備を考えたいと思います。
参考にしていただけたら幸いです。
お葬式の準備をしてくれていた義母
まだ会話ができていた頃から、「お葬式に呼んでほしい人リスト」「お葬式をあげるお寺、お坊さん」については話をしていたそうです。また「大げさにせず」「家族葬で」という希望でした。
ただ、葬儀社については何も聞いておらず、死亡確認後に病院から渡された「葬儀社リスト」を見て「どうしよう」と相談していたとき、昨年葬儀を経験したばかりの私の母の人脈が活きました。
私の父の葬儀でお世話になった葬儀社担当者に電話で相談したところ、「どこかの葬儀社の互助会に入っていたかもしれないから電話して聞いてみたら」というアドバイスがあったそうです。
自分の葬儀社じゃないかもしれないのに、親切なことですね。
すぐに地域の主だった葬儀社に当たってみたところ、その中の一つの互助会で積み立てをしていたそうです。しかも良かったことに、それは電話で相談した葬儀社の互助会でした。
お義母さん、ありがとう。
ご臨終の後、時間はゆっくりと流れてはくれない
病院のベッドで、集まった全員がひとしきりお別れを済ませた後は、考える間もなく時間が過ぎていきます。
ケースバイケースだとは思いますが、メモ代わりに記しておきます。
メモ
- 葬儀社に連絡(予め決まっていたので助かりました)
- ご遺体を自宅に搬送する段取り相談
- 自宅ではご遺体の受け入れ準備
場所づくり、ベッド、祭壇、等(葬儀社がやってくれる) - 自宅にご遺体安置(葬儀社がやってくれる)
- お寺に連絡(予め決まっていたので助かりました)
- 自宅にてお坊さん読経
- お通夜、お葬式の日取り打ち合わせ(お坊さん、葬儀社と)
お寺、葬儀場、火葬場の都合を確認して日時決定
ここまでが当日。
以下は次の日。
メモ
- ご葬儀に呼ぶ人のリスト作り、連絡
(これが一番大変。お義母さんがある程度準備してくれていたので助かりました) - 遠方からくる親戚の宿の手配
- お通夜、お葬式の人数確認
- 精進落とし出席者のリストづくり
- 弔辞の依頼
- 葬儀に関する打ち合わせ諸々(葬儀社と)
- その他、諸々・・・
抜けているかもしれませんが、今思いつくだけでもこれだけあります。
出席側としては、お気持ちがあれば枕花、供花の手配も喜ばれます。
故人とゆっくりお別れを惜しむことができるのは、ご遺体が自宅にある間の夜だけ、かもしれません。
十分にお別れをしましょう。
「家族葬」って何だろう
今回のご葬儀は、義母の希望で「大げさにせず」「家族葬で」を基本に考えました。
しかし「家族葬」とは何でしょう。
「家族だけで」執り行うのが本当の意味での「家族葬」なのでしょうか。
「家族葬」という言葉は一般的に使われていますが、言葉だけが独り歩きして「家族葬」の「家族」の範囲がどこなのか、実は曖昧であることが多いそうです。
範囲もそうなのですが、「家族葬」=「安価」という意味で捉えられて、あとで苦労することもあるようです。
私の友人である葬儀の専門家・竹友孝行氏が、自身のコラムで家族葬について分かりやすく解説してくれているのでご紹介します(「」内はコラムからの引用)。
- 『家族葬』ってそういえば、一体どの範囲までが家族なのだろう??①
「・・・以前、現役の会社員だった男性のお葬式を、奥様やお子様たちが頑なに『家族葬』で行うと言って聞く耳を持ってもらえない事がありました。お葬式は無事に終わったのですが、その家族に待ち受けていたのは、毎日、自宅に、会社の方や趣味のお仲間が参列にやってくる日々が続いたのだそうです。その奥様は、毎日の対応で体を崩してしまったのだそうです。」 - 『家族葬』ってそういえば、一体どの範囲までが家族なのだろう??②
「・・・家族葬の定義は葬儀社によって違いますが、家族やご親戚、その他の面識がある近所の方やご友人などごく少数の方々に送ってもらうお葬式と考えていただければわかりやすいと思います。」 - 『家族葬』の『家族』ってなんだろう?? 家族の範囲って??
「・・・『亡くなられた方のために』お焼香をしたいという気持ちがある人や最後にお別れを言いたい人は、たとえその方が『家族』でなくても呼んであげるべきだし、そういうアドバイスは多方面でしていきたいと思います。」
そしてこの言葉に、私はとても共感しています。
- お別れの際に集まった『ありがとう』の数がその人が生きてきた証のようなものだと思います。
「・・・今は家族葬が主流の世の中ですが、お世話になった方に『ありがとう』と言いたい人たちが、例え家族でなかったとしても、しっかり集まってお別れの言葉を伝えることこそが本来のお葬式の姿だと思うのです。家族以外の方もしっかりとお別れを言いたいと思ってもらった人生って素敵だと思うのです。」
今回の義母のご葬儀は、家族親族を基本にしながらもごく親しい人たちにも出席していただき、たくさんのお別れと「ありがとう」を言っていただきました。
「家族葬」という言葉に縛られず、故人が最後に会いたい人たちに集まっていただけたと感じました。
お別れの前に・・・義母に見習うべきこと
人間、いつ死ぬかわかりません。
今回の義母のご葬儀から、準備が必要だなあと思ったこと・・・
準備しておこう
- 葬儀社を決めておくこと
- 葬儀のおおまかな形態を決めておくこと
- 葬儀に呼びたい人のリストを用意しておくこと(連絡方法も)
- お墓を用意しておくこと
そのほか、銀行とか土地家屋とかローンとか、定期購入や定期引き落としされているものとか、ネットで会員になっているものとか、諸々の情報を整理しておくことも必要ですね。
遺言を残すほどの財産が無くても、残される人のためにこれらのことを整理しておこう、と思いました。
加えて、
- 「ありがとう」と言ってもらえるような良い人間関係を整える
皆に愛されてあの世に旅立って行ったお義母さんを見習って・・・
合掌