働かないおじさん問題・・・
「会社の妖精」という使いやすいワードで、定年前世代のおじさん達を見る目が一層厳しくなっているのを感じます。
会社人事の変革を迫る声や、我々おじさん世代の意識改革をうながす論調が目につき、世間からの圧力が増しているように思います。
関連する記事も、しばしば目にするようになりました。
…ということで、久しぶりにこの問題をとりあげてみました。
あなたの会社では、どうですか?
働かないおじさん問題、じわじわと
昨年11月12日の朝日新聞朝刊の記事「動けぬ『会社の妖精さん』(有料記事)」は、大きな反響を呼びました。
「会社の妖精」という一瞬軽やかで美しい言葉のインパクトと、それが定年前のおじさんの生態をうまく表していることのギャップの面白さ。
私も思わず反応して、ひと記事書きました。
「会社の妖精さん」動け、会社の外に羽ばたこう!
「動けぬ『会社の妖精さん』」という新聞記事の見出しに「?」マーク。妖精さんとは?存在感が薄い定年前のおじさんを揶揄してのネーミングのようですがうまいこと言う!若手から邪魔者扱いされても、ある意味恵まれた存在。次の人生のステップに使うのも手です。
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お陰様でこの記事には多くのアクセスを頂き、Google検索では並みいる大手メディアを押しのけて、一時は検索トップの座をいただきました(一瞬ですが、続編も入れるとワンツーフィニッシュだったり^^)。
やはり皆さん感心が強いんだなぁと思った次第。ありがとうございます。
朝日の元記事にも多くの反響があったようで、2ヶ月後の朝日新聞デジタルで読者から寄せられたコメントが特集されています。
● 働かない「妖精さん」どう思う 様々な世代から届いた声
朝日新聞デジタル 2020.1.19(有料記事)
アンケート全体では、
・働きに見合わない給料が社内で不公平 69回答
・会社にとって無駄、コストアップ 55
・勤め続ける本人にとって不幸 48
・世代間の分断をあおる見方だ 47
・中高年優遇は不公平がある 43
・日本社会の衰退につながる 25
・特に問題はない 16
・うらやましい 11
コメントから抜粋要約
「まさに自分が妖精さんです。どうにもならないと思い悩んでいます」(神奈川県・50代男性)
「大手保険会社に勤務している若手です。職場にいる50代の2人に1人は妖精さんなイメージ。世代間のモヤモヤで転職を考えることもあります」(東京都・20代女性)
「妖精さんのようにふんわりできるのはこれまでたまった年休消化のようなものだと大目に見てあげて」(東京都・60代男性)
「若手のようにやっていることが多くはないと思いますが、その方々にも役割があるのではないでしょうか? それを妖精さんだなんて言うのはいかがなものかと思います」(海外・30代女性)
「年齢に関係なく人の業務遂行能力と成果をバランス良く、納得度高く評価し給与に反映する仕組みがまずは必要。働く側も年齢に関係なく、今の仕事のニーズにあった能力を身につける努力を続けなければ」(栃木県・40代男性)
「本人もつらいだろうに、そんな思いをしながら会社にしがみついて生きていかなければならない正社員の方が気の毒に感じる時があります」(埼玉県・40代女性)
「若い時はああなりたくはないと思ったが、年をとったら自分がそうなってしまった。変なプライドを持たずに、能力の50%でこなせる職に就くのが良いと思う」(京都府・60代男性)
参照:「妖精さん」どう思いますか? - フォーラム:朝日新聞デジタル
ツイッターではさらに辛辣な意見が寄せられています。
● Ceron - 働かない「妖精さん」どう思う 様々な世代から届いた声
「会社の妖精」には、批判と同情、当事者と予備軍、自責と他責、様々な立場から多くの意見が寄せられていますが、
「そういう人たち」がいるのは事実で、
「そういう人たち」が直面するこれからの問題は現実のものになりそうです。
リストラの追い風に使われている?
大量生産・大量消費にもとづいた経済成長は終わり、会社も規模を求める時代ではなくなりました。
年功序列から能力主義に変わってきたとはいえ、日本の企業はダイナミックに人を斬ることができません。
そんな中、
「妖精さん」が会社のお荷物になっている、というわかりやすい構図が一般論化されて、
「減らすなら妖精世代」という流れづくりにうまく使われているような気がしてなりません。
● 【衝撃】味の素、50歳以上100人希望退職者募る!
働かないおじさん「50G」の未来は?(横山信弘)
Yahoo!ニュース 2019.11.29
今後も大企業を中心に、「50G(フィフティジー)」をターゲットにした同様の動きが増えるだろう。
心当たりある50代は、今からでも遅くない。感度を高め、謙虚になり、ご自身のマーケットバリューアップに努めたほうがいい
● 黒字でもリストラ断行 収益強化へ先手―早期退職3倍に・民間調査
時事ドットコム 2020.1.21
” 東京商工リサーチ(TSR)は21日までに、2019年に早期・希望退職者を募集した上場企業が延べ36社で前年比3倍に急増したと明らかにした。募集人数も約3倍の1万1351人(18年は4126人)に増加。
業績不振で人員削減に追い込まれる企業がある一方、収益体質の強化へ先手を打つ動きが目を引いた。黒字でもリストラを断行する企業の実態が明らかになった。"
● 戦犯はバブル世代?日本企業の「チームワーク」が崩壊した原因
小野りつ子氏 幻冬舎ゴールドオンライン 2020.1.22
” 日本の企業はよどんだ水を流す時機に来ているといえます。”
サラリーマンが「お気楽」な時代は、はるか遠くになりました…
さらば、植木等。
50Gとは?!働かないオジサン問題再び
「働かないオジサン」問題について、「働かないおじさん『50G』の未来は?」という面白いタイトルのコラムが。「5G」ならぬ「50G」とは?これまたうまいこと名付けたもんだ笑。やはりこの問題、これからますます大きくなりそうな気がします。50G対策、考えましょう。
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いままでの延長では生き残れない
年功序列的な考え方が否定される風潮の中、
「今までの頑張りのごほうびで、今までのやり方の延長で、会社に残れる保証はない」と言っていいでしょう。
こちら女性向けのコラムですが、女性でも「おっさん」化は無縁ではないと警鐘を鳴らしています。
● 「働かないおじさん」はなぜ働かないか | (3/3)
中原 淳 立教大学経営学部 教授
PRESIDENT WOMAN Online
「おっさん化」とは、男性が歳を取ることを言うのではなく、好奇心がなくなり、新しいことに挑戦する意欲をなくし、ただこれまでの成功体験に固執する、そういう状態を指すのです。おっさん化に性別は関係ありません。
働かない人がいるのは年配の男性に限ったことじゃないのに、「おっさん(おじさん)」でひとくくりにされるのは何だかなぁと思っていましたが、やばいのは男性も女性も同じですよね。
ただ正真正銘のおっさんに対しては、筆者自身の自戒も込めて、「おっさんだから」を何かにチャレンジしないことの免罪符にするべからず、とも。
見てくれのおっさん化と、中身のおっさん化は別もの。
成功体験に固執しない、
好奇心をもつ、
新しいことに挑戦する。
中身をアップデートしていきましょう。
会社に依存しない人生にきりかえるとき
長い会社人生で培ってきたことはあなたの大きな財産ですが、それはもはや会社からは財産としてみられていない「かも」しれません。
時代の流れから、会社から戦力外通告される可能性は今後ますます大きくなるでしょう。
ならば、今からでも新しいことに挑戦する。
あるいは会社に固執せず、それを自身の財産として会社の外で活かす。ということも考えてみては如何でしょうか。
しかし長いこと会社の中にいると、会社の外・違う業界に目を向けるのはなかなか難しいものです(私もそうでした)。
普段から会社の外の人たちと接する機会をもつことが大切です。
● 働かないおじさん問題 - orangeitems’s diary
転職が甘くないことは当たり前です。ただそれを助長するような生活スタイルを送ってはまずいと思います。会社の外を常に見ておく姿勢は重要です。
そして、人生を変えるのに必要なのは・・・
● 50歳以上しか採用しない会社の社長が言った、「人生の変え方」 | Books&Apps
社長 「安達さん、私は社員にいつも言っているんです。人生を変えるには、ほんのちょっとのことを知るだけでいいんだ、と。」
大事なことは、
成功体験に固執しない、
好奇心をもつ、
新しいことに挑戦する。
そして、
小さい習慣から人生を変えていく。
大丈夫、変われる。
2020.3.27 「執拗な退職勧奨」にNOの判決が出たのをうけて↓
黒字リストラの動きに待った?日立への横浜地裁判決の意味
2020年3月24日、50代男性に「執拗な退職勧奨」を行ったとして横浜地裁が日立に慰謝料20万円の支払いを命じました。画期的な判決です。残りたいという意思を明確にしておけば、執拗な説得は違法になります。会社の一方的なオジサン減らしに待ったをかけるか?
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